YASHICA ミニスタ−F2.8 レンズで勝負したヤシカの傑作


クセノタ−レンズ搭載、解像力での最高レベル
ヤシカのレンズシャッタ−機への参入は意外と遅く、昭和33年ヤシカ35F2.8が最初である。後発だけに何か特徴を出さなくてはいけないということで、レンズにかなり金をかけている。このクラスだとテッサ−タイプの4枚構成が普通なのに、このレンズはランタニウムを使った新種ガラスを採用してクセノタ−タイプの5枚構成を採用している。
当時のアサヒカメラでもとりあげられ、このレンズを解像力でしのぐものは他になかったという。
昭和35年、これと同じレンズを搭載したのが本機、ミニスタ−F2.8である。このレンズもアサヒカメラのニュ−フェイス診断室で取り上げられ抜群の評価を得ている。
露出計は連動ではなく外部読み取り式である。
レンズに金がかかっているので、これ以降のミニスタ−U型からはテッサ−タイプに落としている。それと平行して売り上げも落ちたということである。ユ−ザ−もしっかりと見ていたものだと感心してしまう。

みのかんのミニスタ−F2.8
値段は5000円くらいだったと思う。中古としては調子がよく操作性が抜群にいいものを手にしたと思う。セレンもばっちり生きていて実用になる。
このカメラで撮ったネガを6ツ切に伸ばしてびっくりした。うわさどおりピントの切れがいいのである。今のコンピュ−タ−設計のレンズの解像力の良さとは全然ちがうシャ−プさである。
大型ボディであり、レンズシャッタ−=コンパクトカメラの図式に当てはまらない。それではどういう分類で呼べばいいかと調べたら「中級機」という言葉が見つかった。しっかりとした皮ケ−スに入れられた中級機は家族の財産だったのだろう。一種のステ−タスであったと思う。
押せば誰でも簡単に写せるカメラというのではなく、露出計のEV値を読み取り、レンズ周囲でそのEV値を合わせ、シャッタ−スピ−ドと絞りを選ぶというもの。いわゆるライトバリュ−方式と呼ばれるものである。これは写真をある程度知っていないと使いこなせなかったと思う。
いわゆるお父さんのカメラである。もっとも我が家にはお父さんのカメラが200台近くごろごろしているが(笑)。

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